楠クリーン村より新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。2020年も、どうぞ宜しくお願い致します。
さて、皆様はどんな志を持って、新しい年を迎えましたか?
楠クリーン村は「子供たちの教育」と「アジアチームで協力」を今年のテーマにしようと考えています!


私たちは2007年に耕作放棄地となっていた茶園(現・楠クリーン村)を引き継ぎ再生をはじめ、13年の年月が経ちました。この13年の間に、茶畑がよみがえり、自給生活のための畑や果樹園をつくり、山の中にはスタッフたちが暮らすセルフビルドの家々も建ちました。自給率向上と同時に経済的自立も目指し、加工施設の充実や商品開発も続けてきました。
どれも発展途上のため、磨きをかけていく必要がありますが、次の段階として、先に述べたテーマを念頭に2020年を過ごしていこうと考えています。

仕事を通して誰に何を発信していきたいかと考えた時に、真っ先に若者たちの顔が浮かびます。そして、若者中の若者、子供たちに自然の中での暮らしを提供し、彼らが持つ好奇心や疑問を開放する場所が必要だと切に感じるのです。

楠クリーン村にいると「なぜこの仕事を?」と聞かれることが多く、必然的になぜここに辿り着いたのかと考えることが増えます。思い返すと、感動したことも心から嫌だったことも含めて、子供時代の経験が今の私をつくっていると感じています。自覚しているか無意識かは様々でも、きっと多くの人が子供時代の経験を胸に、今を生きているのではないでしょうか。唐突に結論になりますが、だからこそ、子供たちに自然の中で目一杯新しい体験をしてもらいたいと思います。



どんなことでも子供たちにとっては経験であり勉強だと思いますが、自然の中での暮らしはその中でも特に触れて欲しいテーマです。なぜなら、本来、すべては自然から生まれたものだからです。紙も鉛筆も、服も。科学が発達した今、想像をしなくなっている人も多いように見えますが、楠クリーン村で生活していると「あの植物から服が作れるんだ」「あの調味料は、そうしてできるのか」と驚くことばかりです。

何がどのように作られているのか、それを知る過程は何より面白いです。

そして、地球資源が枯渇しようとしている今、欠かすことのできない想像力を育むことになるのではないでしょうか。もちろん、そんな難しいことを子供たちにお説教するつもりはありませんが、自然の中で土を耕し、試行錯誤をする中で子供たちなりの大切な発見があり、それが確かに未来に繋がっていくと思います。

併せて考えたいのが「アジアチームで協力」です。今年の春からインドネシアから農業研修生が来る予定になっています。彼らはバリ島のトロピカルフルーツ農家で、これから農と教育をかけあわせていきたいと考えているようで、テーマが一致しました。

子供たちへの教育とは何か、農家だからこそできることは何か、拙い英語で議論していく1年になりそうです。将来的にはバリの子供たちが楠に来て、日本の子供たちがバリの農家に教わりに行くような関係性ができれば、それは農に留まらず、母国とは別環境の自然から学ぶ体験になり、異文化からのカルチャーショックも豊かな経験となることでしょう。

そして今、頻繁にスカイプでミーティングを重ねているのがミャンマーの若者たちです。彼らは2019年に楠クリーン村に研修に来ていた学生たちで、彼らのフィールドを知るべく私も昨秋にミャンマーを訪問してきました。私たちは、楠のお茶技術を活かしてミャンマーにお茶園をつくるプロジェクトを進めています。

内戦の続くカチン州で、内戦終了後の兵士たちの仕事を作る平和茶園プロジェクトです。スカイプでお茶の育苗はこういう風にやるんだよ、と説明した翌週にメッセンジャーで「こんな風に植えたよ」「すごく土が乾くのだけど、どのくらい水やればいいかな?」と英語のメッセージと写真が送られてきます。こうした多層的な交流の中から「これから、どう豊かに生きていこう」という議論を巻き起こすことを目指します 

それこそが、私たちの仕事の存在意義だと思っていますし、実際にこうした議論ができる場に山口大学の学生たちが反応し始めて俄かに学生の出入りが活発になってきました。えっ、まだまだ詳しく知りたいよ!という方たちが参加できるイベントや体験を展開していこうと思いますので、詳しくはブログやFacebookをご覧下さい。素敵な1年にしましょう!

NPO法人学生耕作隊・楠クリーン村 理事長 高田夏実




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